負け犬的映画偏愛録

崖っぷちの負け犬が負け犬的な目線で偏愛する映画のことを好き放題のたまう崖っぷちの映画録。また、たまに<映画をエンジョイ英語もエンジョイ>と題して、映画の実際のスクリプトを原文と翻訳でご紹介。英語学習気分もちょっぴりどうぞ!

負け犬のどんでん返しは残念賞「ハイテンション」

どこまでも殺人鬼を追い詰めろ!ミイラ取りがミイラになるまで。肉塊と血しぶき飛び散るハイパー・ユーロ・スプラッター! (評価 60点) 殺人鬼をこの手で仕留める!ダイ・ハードのスプラター・バージョンというべき、と思いきやラストに衝撃が待っていた…

負け犬は三万三千五百六十円也「お葬式」

唯一無二、世界初にして最後。日本人にしか作れない、エッセイ映画の金字塔! (評価 90点) 見るたびに笑い、しんみりとし、感動の余韻に胸が熱くなる。そして、決まって最後には人間が愛しくなる、愛してやまない邦画の大傑作。 死亡診断書込み、処置料…

負け犬のガープの世界はドレスデン「スローターハウス5」

人生は走馬灯。でも本当はバラバラな記憶の断片がランダムにシャッフルする世界。そこには過去も未来も無い。たった一人でタイム・リープを繰り返す悲しきトラベラーを描いた名匠ジョージ・ロイ・ヒルの傑作SF! (評価 76点) アメリカSF文学史上に燦…

負け犬の骨太の群像劇「L.A.コンフィデンシャル」

欲望と汚職が渦巻くLAの街に、男たちの熱い砂塵が吹き荒れる。骨太の骨格と、上質の風格を漂わせた傑作犯罪ノワール! (評価 78点) 50年代L.A.P.D。そこは男たちの闘争の世界、正義を貫く場所、そして、一人の魔性の女の誘惑の世界。 公開当時、…

負け犬の気分はキャピキャピいつでもハッピー!「チャーリーズ・エンジェル」

ノーテンキが世界を救う!はじける笑顔に、はじけるアクション!あのテーマ曲に乗って三人娘がやって来る。そのスタイルはどこまでもチャーミング!ガールズ・アクションの最高傑作 (評価 82点) 恐るべき感染力!笑う門には福来る。いつもキャアキャアワ…

負け犬のゼロからはじめる異世界ホラー「ファンタズム」

ひたひたと迫りくるトールマンに、謎の球体キラー・スフィア!少年期ならではの、不条理と不安渦巻く異次元ティーンエイジ・ホラー (評価 65点) この世のありとあらゆる魑魅魍魎が飛び交う異次元の世界。でもそこは見慣れた日常とほんの隣り合わせの非日…

負け犬の爽快なる口当たり「バッド・テイスト」

サクセスへの道は、やっぱり小さなことをコツコツと。DIYスピリッツ満載のドロドロスプラッターは、口当たりもグロッとさわやかな手作り感覚爆発の情熱作 (評価 70点) ここは田舎のゾンビランド。ゾンビたちをただひたすらに踏み潰す。相手は屍同然の…

負け犬の良い子のための殺戮ショー「スターシップ・トゥルーパーズ」

襲い来るバグを殲滅せよ!その肉片に血しぶき、何もかも所構わずド派手に飛び交う肉弾戦。人間も昆虫も、ただ殺すのみ!これこそは良い子に見せたい殺戮ショー。 (評価 72点) 人体も昆虫も、その肉体が容赦なく破壊される情け無用の殺戮ショー。ナパーム…

負け犬は何もしない「ビッグ・リボウスキ」

人生はグダグダで人間もグダグダ、勿論、生活もグダグダで、だから、ありえないほどにグダグダな映画なのに、どういうわけか、例えようもないほど素晴らしい (評価 82点) 見れば元気になれる、見れば癒される、ダメ人間たちのオンパレード!ダメ人間でも…

負け犬のフランスからやって来たミュータント「ディーバ」

歌姫ディーバの艶やかな歌声に包まれ、雨に煙るパリの街が夢の国に変容する。ノワールとファンタジーが融合する夢のワンダーランド (評価 82点) 水槽の中で真青な海が波打ち、郵便配達員ジュールの赤いモビレットがメトロを駆け抜ける!その瞬間、パリの…

負け犬のスモールタウンは江戸川乱歩の猟奇の世界「ブルーベルベット」

アングラからビッグへの成功の青写真は、一度見たら忘れられない、猟奇と耽美、さらには世にも奇妙なオズの魔法使いの世界だった! (評価 82点) 人間の耳の穴の奥深く、そこは誰も見たことのない世界!ただのアングラな映画作家のサクセスの法則は、童話…

負け犬の絶賛と罵倒の悲しきバラード「刑事ジョン・ブック目撃者」

都会の刑事が、ある日突然、文明を拒否し、自給自足の生活を送るアーミッシュのコミュニティで暮らしたら?そんなアイデアと、マイルドな文明批判とを見事にエンターティメントに結実させた傑作映画 (評価 80点) オーストラリアの俊英ピーター・ウィアー…

負け犬の究極の恐るべき決断「未知への飛行/フェイル・セイフ」

手に汗握る釘付け必至の究極のハイテンション!その果てに下された決断に呆然とする112分の超絶サスペンス (評価 87点) これぞシドニー・ルメットの真骨頂!密室で繰り広げられる米ソ首脳会談の圧倒的な緊張感、核ミサイルをめぐる息を呑むサスペンス…

負け犬の映像マジックの世紀末的エンサイクロペディア「鳥」

ヒッチコックの映像マジックが冴えわたる、動物パニック映画の原典にして金字塔! (評価 89点) 平和そのものの港町ボデガ・ベイを鳥の大群が襲う!これぞまさに映像マジックの百科事典。今なお新しい、発見に満ちた超傑作。 映画史のことは差し置いて、…

負け犬の本当は怖いグリム童話「狩人の夜」

ラブ・アンド・ヘイトのサイコパス。忘れられたメルヘン・ホラーの傑作 (評価 76点) 汝の隣人を愛すべきはずの牧師が幼い兄弟を殺しに来る!二人の子供たちに明日はあるのか! その存在だけは伝え聞きつつも、公開もされず、ソフトでもついぞお目にかか…

負け犬たちの魂の雄叫び「アモーレス・ペロス」

メキシコから突如、飛来したミサイルが、目もくらむ閃光とともに爆発する、負け犬たちが織り成す壮絶なる人間ドラマに息を呑んだ! (評価 82点) メキシコという予期せぬ国から現れた俊英の出現に驚愕させられた、オムニバス人間ドラマの傑作。 アレハン…

負け犬も悩むジェネレーション・ギャップ「メカニック」

70年代アクションの名作として名高い本作。しかし、それは親父衆がジェネレーション・ギャップに悩むだけの凡作だった (評価 50点) 後にジェイソン・ステイサムでリメイクすらも作られた本作は、予想外の凡作だった。 かのIMDB上で、70年代を代…

負け犬がパンドラの箱を開ける時「キッスで殺せ」

これは誰もが覗きたくなる不思議な箱。最後に明かされる箱の中身にポカンとし、キツネにつままれること請け合いのカルト・ノワールの珍作 (評価 65点) 漢映画の巨匠ロバート・アルドリッチが、既成のスタイルによる束縛の憂さを晴らすかのように作り上げ…

負け犬の鼻の穴にナイフ「チャイナタウン」

「水の中のナイフ」で世界を震撼させた神童ロマン・ポランスキーが、名匠にまでのぼりつめるマイルストーンともなったノワールの傑作 (評価 84点) アメリカン・テイストそのもののノワールスリラーに、ヨーロッパの艶やかなテイストを盛り込み、本作のテ…

負け犬のシベリア超特急の終着駅「オリエント急行殺人事件」

オールスター総出演というキャッチフレーズが本作ほど、似つかわしい映画は他にない。胸躍る楽しさと至福の128分に酔いしれる (評価 88点) その名は知れ渡っているのに、何故か今まで見ていなかった映画、そんな映画が大傑作という至上の喜びに勝るも…

負け犬は衝突で発情する!ようこそ変態たちの世界へ「クラッシュ」

世にもおぞましきフェティシズムの世界。変態たちが爆走し衝突するフェティッシュたちのエロとグロの狂宴 (評価 80点) 変態の欲望に終わりはない。究極のエクスタシーを求め、何処までも突っ走る、エンドレスなるエロの世界。 いずれ劣らぬクセ者揃いの…

負け犬も誰かと映画を見てみたい「サスペリア」

「決してひとりでは見ないでください!」のコピーも躍る、鮮やかな原色の色彩と、おどろおどろしい音楽、こけおどし全開のイタリアン・バロックホラーの決定版! (評価 72点) 心的恐怖も内容も何もない、しかし、とことんお化け屋敷に徹すれば、それはも…

負け犬とエロい熟女の殺戮劇場「丑三つの村」

草むらに捨てられたエロ本の猥褻な写真にたぎらせた野卑でゲスな欲望が、猟銃から放たれた銃弾とともに全方位に暴発する、世にも危険なエログロ・バイオレンスの問題作。(評価 68点) にっぽんの熟女イメージのシンボル、五月みどりがエロ度全開に見せま…

負け犬のアトラクションは命がけ「ウェストワールド」

若き俊英マイケル・クライトンが、劇場映画初監督作で、その才気煥発ぶりのみならず、あのウェスタンの名作「荒野の七人」のクリスが、そのままのスタイルで登場する遊び心まで存分に発揮したテクノ・スリラーの秀作 (評価 74点) 楽しいはずのアトラクシ…

負け犬のナチのエロスとセックス親衛隊「愛の嵐」

文芸と耽美の、倒錯のエロスとの見事な融合。夜明けの鉄橋を歩く、ロリコン・ファッションと軍服姿のカップルのシルエットはこの上もなく美しかった。 (評価 78点) ナチの軍服とSMボンデージが倒錯する妖しき世界、その世界に溺れるカップルの末路は哀…

負け犬の姿なき温故知新「透明人間」

まさに温故知新ではないけれど、古き良きクラシックなマテリアルを換骨奪胎してホラーにしたらどうなるか?その解答は、何とも物足りない残念作でした (評価 58点) フランケンシュタインにドラキュラ、ミイラ男に半魚人。異形のキャラクター、ダーク・ユ…

負け犬は肉を切らせて骨を断つ「サムライ」

孤狼の殺し屋の不動のイメージの先駆にして、メルビル・ノワールの金字塔。 (評価 78点) サムライの心得である、死に場所に向かって俯きながら歩くドロンがこの上もなくカッコいい。孤狼の美学のカタログのような名作。 孤独、寡黙、ストイック。ファー…

負け犬の暴力のルネッサンス「マッドマックス」

粗い粒子の映像が醸し出す得体の知れない恐怖感が、どこまでも続くオーストラリアのザラついたアスファルトの路面を疾走する。近未来バイオレンスの頂点にして不滅の傑作(評価 85点) 映像の幻影がもたらす薄汚れたリアルなバイオレンスが炸裂する。映像…

負け犬の脈絡なきこの人生「フェリーニのローマ」

次々に繰り出される圧倒的な記憶の洪水!まさしく人生とは、走馬灯ならぬ、炎を噴き上げ疾走する火車 (評価 80点) デフォルメされた記憶のイメージが、怒涛のように繰り出され、ひたすらに圧倒される。脈絡などあろうがなかろうが構わない。何故ならそれ…

負け犬の笑いと狂気は紙一重「キング・オブ・コメディ」

人は笑わずにはいられない、自分の人生の悲惨さを忘れるために。笑いとは、そもそもかくもアンビバレンツなものなのだ (評価 80点) 本作が公開されたのは、バブル真っ只中の1984年。当時、その世相を反映し、日本中のメディア、すべてが浮かれていた…