負け犬的映画偏愛録

崖っぷちの負け犬が、負け犬的な目線で偏愛する映画のことを好き放題のたまう映画録。

ドラマ

負け犬人生の先にあるのは消失点「バニシング・ポイント」

白いダッジ・チャレンジャーが砂漠に描いたタイヤの跡は、セブンティーズの不滅のモニュメント (評価 82点) 映画は始まりから終わりまで、ただひたすらに突っ走る。そしてラストに炸裂して燃え尽きる。それ以外、何も足さない、何も描かない。ただ走るだ…

負け犬の一発屋が生き残れた理由とは「ロッキー2」

どこの世界にもいる一発屋。華々しく打ちあがりそのまま星の藻くずとなるはずの一発屋がここまで生き残ったのは何故だろう?そこにはロッキーとマンガ家との意外な関係があった。あふれるほどの感動と共に、今だからこそ「ロッキー2」は色々なことを教えて…

負け犬さんのカチンコチンに凍ったスープはマイアミの太陽で溶けるのか?「真夜中のカーボーイ」

一人では凍え死ぬような寒さでも、二人で寄り添えば少しはしのげるのかもしれない。たとえその二人がどうしようもない負け犬みたいな連中でも (評価 89点) テンガロンハットを被った滑稽な男と足を引き摺るみじめな小男が身を切るようなニューヨークの風…

負け犬さんのヒッピーがただバイクに乗ってフラフラしてドラッグでブッ飛んだら名作になっちゃった件「イージー・ライダー」

子供の頃、あの有名なチョッパーで疾駆するこの映画のポスターがあちこちに貼られていた。そのカッコ良さや自由な空気こそまさにアメリカそのものだった。 (評価 78点) 映画とは、映画会社のエライ重役連中が会議で企画を立案し、予算が組まれ、俳優やス…

負け犬さんの満州は傀儡国家で王子がハリポタならぬハリボテで悲しかった件「ラストエンペラー」

ベルトリッチのいわば入門編のこの映画、思うのは、今ジョン・ローンはどうしているのだろう? (評価 80点) ジックリ腰を据えて見れる映画となれば歴史もの。その時、ふと浮かんだのが、ン十年前に日曜洋画劇場で一度見たきりの本作だった。劇場でも大ヒ…

負け犬は鈍する「アメリカン・グラフィティ」

「こいつは凄い!」たったの1分にも満たないその作品を見て誰もが腰を抜かさんばかりに驚嘆した (評価 72点) いったいジョージ・ルーカスに羨望の念を覚えない人間など、この世の中にいるのだろうか?別に皿洗いなどして下積み暮らしに何年も甘んじて耐…

負け犬の夜は青い「アメリカの夜」

君は子供の映画を撮るといいよ、そうトリュフォーに云われて撮ったのが「ET」だったのさ(スピルバーグ(談)) (評価 78点) この映画のことは子供の頃から知っていた。タイトルの由来が、キャメラに青いフィルターを付けて昼間に撮影し、夜のシーンに…

負け犬はオオカミにはなれない「狼たちの午後」

社会の負け犬たちが剥く牙はあまりにもおろかで悲しいものなのです (評価 88点) この映画を初めて見たのは、高島忠夫解説当時のゴールデン洋画劇場。しかし、その初回放送が、同時期発生した梅川による三菱銀行籠城事件の影響を憂慮し、急遽中止となった…

負け犬に敗者復活戦はあるのか「候補者ビル・マッケイ」

選挙とは候補者の販売戦略を競い合うゲームだ (評価 80点) 1972年の作品の本作。しかし、今でも政治、それも選挙というトピックを扱った作品としていささかも古びたところなど微塵もなく本国でも未だにベスト1にランクされる快作だ。 トランプvs…

負け犬はひとりぼっち「大いなる勇者」

ヒッチハイクしてアラスカまでの旅を続けるその青年の風貌はまるでジェレマイア・ジョンソンのようだった (評価 78点) 1992年4月、アラスカの山中で一人の青年の死体が発見される。死因は飢え死にだった。その青年は、ワシントン郊外の裕福な家庭で…

負け犬はカルメンを踊る「がんばれベアーズ」

名前はリトルでも感動はメジャーに負けない (評価 85点) あの頃に見たもので、ふと脳裏に浮かんでしまう映画というのはあるもので、とにかく自分の場合、何はともあれその原点は『ロードショー』。その雑誌を毎月発売日には必ず買って読みふけっていた頃…