負け犬的映画偏愛録

崖っぷちの負け犬が負け犬的な目線で偏愛する映画のことを好き放題のたまう崖っぷちの映画録。また、たまに<映画をエンジョイ英語もエンジョイ>と題して、映画の実際のスクリプトを原文と翻訳でご紹介。英語学習気分もちょっぴりどうぞ!

2020-12-30から1日間の記事一覧

木枯し紋次郎 第十ニ話「木枯しの音に消えた」 初回放送日1972年4月15日

あの紋次郎はニセモノだった <紋次郎は、かつて手負いの自分を助けてくれた浪人を尋ねるが、茶屋の主人から死んだと聞かされる。実は紋次郎が吹く木枯しは、その浪人の娘のお志乃が教えてくれたものだった。お志乃の消息を求める紋次郎は、お志乃が女郎とし…

負け犬たちの夢の競演「エイリアン」

奇跡の賜物としかいえない映画はあるものです (評価 88点) その昔、70年代のこと、フランスのユマノイド・アソシエという小さな出版社からとある雑誌が創刊された。その雑誌の名は「メタル・ユルラン」。そして「ヘヴィメタル」の誌名でその後、知られ…

負け犬たちはエイリアンの卵だった「ダークスター」

急停止する宇宙船とゆるゆるのオフ・ビート感覚が秀逸なカルトSFの傑作 (評価 70点) その昔、雑誌「ロードショー」にその後、巨匠となった若き監督たちの学生時代の作品群のスナップが載っていた。その記事の中で「スターウォーズ」のジョージ・ルーカ…

紋次郎のDNA「股旅」

1973年4月7日、当時の日本のインディペンデント映画の雄ATGの配給によって一本の時代劇映画が公開された。それこそが、日本映画の巨匠市川崑の手による、TVシリーズ木枯し紋次郎のDNAをそのまま受け継ぎ、さらにそれを抽出ろ過しギュッと煮詰…

紋次郎かく語る 「紋次郎の左足」

樹の根っこに足が挟まっちゃって、そのまま仰向けに倒れたら足がブラブラしてたんだ 初回10.4%、~12回目30%。瞬く間に鰻上りに上昇した紋次郎の視聴率だ。土曜日午後10時30分という放送時間を考えればいかにそれが驚異的な数字、そしてどれほ…

カリスマ紋次郎はネギフォビア

飛び込んだその場所は芸能界ならぬネギ畑 紋次郎といえば中村敦夫、中村敦夫といえば紋次郎。紋次郎を語る上で中村敦夫抜きに語ることなど有り得ない。そしてその役と同一化することで、ここまで神秘的なカリスマの威光を放つ存在も唯一無二といえるのではな…

木枯し紋次郎 第三十話「九頭竜に折鶴は散った」 初回放送日1973年2月3日

原作ありきのシリーズ中のレアな一本 <かつて、盗賊に襲われ助けを乞う男に背を向けた過去を持つ紋次郎が、数年後再びその地を訪れ、今は廃屋で息絶えようとしているその男と再会する。男は紋次郎に30両の金を渡しお春という遊女の身請けを頼むが、その道…

木枯し紋次郎 第二十六話「獣道に涙を棄てた」 初回放送日1973年1月6日

カリスマの才能が70年代を席巻した <紋次郎は、赤い牛とだけ言い残し顔面に火傷を負って行方をくらました夫を探す盲目の女お鈴と出合う。今も赤い牛の迷信を信じるお鈴だったが、紋次郎は、その火事の一件を絹問屋たちが巧妙に利用していることを知る。そ…

木枯し紋次郎 第二十五話「海鳴りに運命を聞いた」 初回放送日1972年12月30日

股旅稼業のリファレンスマニュアルとでもいうべきファクターが斬新だった <網元たちがイワシ漁の莫大な利権を巡り、血で血を洗う争いを繰り広げる房州の海。紋次郎は浜で息を引き取った娘から、かつて自分たちを棄てて消えた娘の父親に宛てた一個の鈴を託さ…

木枯し紋次郎 第十九話「馬子唄に命を託した」 初回放送日1972年11月18日

誰もが待ち望んだあの男が帰って来た <渡世人ばかりが狙われる山間の三国街道の道中に、闇夜の中、紋次郎も襲われる。相手に手傷を負わせからくも逃れるが、紋次郎は出会った馬子の政吉の言動から、政吉が事件に関わっていると直感するが、その頃、殺された…

木枯し紋次郎 第四話「女人講の闇を裂く」 初回放送日1972年1月22日

紋次郎の楊枝飛ばしは、アナログな70年代の情熱の賜物だった <眠ることを許されない年に一度の女人講。20年前そこで起きた惨劇の話を、たまたま難儀を救った旅館の女主人、筆から聞かされる紋次郎。だが、村を仕切る太和屋は、その惨劇を利用しある計画…

木枯し紋次郎 第三話「峠に哭いた甲州路」 初回放送日1972年1月15日

紋次郎名物の早食いは飢えた70年代の空気の象徴だったのか <かつて村の娘を殺めたことから追放したはずの源太が復讐のために舞いもどって来る。その噂に怯える村に足を踏み入れる紋次郎。そこで紋次郎が出合ったのは片足の少女、お妙だった。そこへ村人た…

木枯し紋次郎 第二話「地蔵峠の雨に消える」 初回放送日1972年1月8日

土砂降りの中、己の義理がけのために死闘する姿が70年代そのものだった <道中、紋次郎は、腹痛で苦しむ十太と名乗る渡世人を助け、宿まで運ぶ。しかし、十太の容態が急変、末期にしたためた手紙を十太の妻のお千代と地蔵峠にいる兄貴分、利三郎に届けてく…

木枯し紋次郎 第一話「川留めの水は濁った」 初回放送日1972年1月1日

思えば70年代というのは負け犬天国だった <大雨が降り続く宿場町。ある賭場で50両もの大金をせしめた若者。その若者茂兵衛の後を代貸の佐太郎が追う。佐太郎の子分に襲撃された茂兵衛を救ったのは、賭場にも居合わせた紋次郎だった。しかし、紋次郎は、…

負け犬はフラクタル「3-4X10月」

枯れた才能もループしたらリストアされるのだろうか (評価 76点) かつて世界中で巨匠と絶賛された一人の日本映画の監督がいた、その名を北野武。だが、いまや、そんなことなど知る人がいるのだろうか・・というぐらい久しく映画のフィールドでその名を聞…

負け犬はリタイアするのか「ジャッキーブラウン」

ふと見渡すと、広い映画館の中、客が5人しかいなかった。そして、その全員が爆睡していた (評価 82点) 1990年代初頭、あちこちの映画雑誌に見慣れない男の名前が載り始める。サンダンスにデビュー作を引っ下げグランプリを獲得した話題の男との触れ…

負け犬には軽蔑を「復讐者には憐れみを」

復讐なんて願い下げだ。でも、それがしりとりのようにつながるとこの上もなく面白い (評価 76点) この映画、実は危うく捨てかけた。「オールド・ボーイ」にノックアウトされパク・チャヌクを知った。(オールド・ボーイは日本公開の半年前に韓国版のDV…

負け犬にはネットオークションで値がつくか「ホステル2」

ゴアがマイルドになっても一応、面白さは健在 (評価 65点) 今も王国ハンガリーの面影が随所に残る、中央ヨーロッパの共和制国家スロバキア。実はその国には知られていない一面がある。そのとある州の小さな田舎町の一画に、共通する嗜好を持つ世界の富裕…

負け犬は拷問マニア「ホステル」

舌の嫌な味わいには、ミントのような爽快なお口直しが欲しいよね (評価 69点) 昨今、イヤミスという言葉がすっかり市民権を得ている。イヤミスは読後感の後味が悪いミステリーだが、映画についてはイヤエイではなく、これもまたある程度浸透している「嫌…

負け犬はホワイトカラー「脱出」

さあ!ブタのようにヒ~ンと泣け!カマを掘ってやる (評価 89点) 映画のジャンルとして、サスペンスに振るか、ホラーに振るか、その振幅の甲乙つけがたい作品と言うのはいくつもある。 しかし、どちらに振っても間違いなく傑作と言えるのはわずかしかな…

負け犬の好物は絶望「眼には眼を」

いったいこの世にカタルシスをもたらすほどの絶望感があるなど想像できるだろうか (評価 85点) この映画の存在を知ったのは、古本屋で入手した古ぼけたキネマ旬報ベストテンの特集号。数行の簡単な紹介文と、この映画のタイトルに妙にイマジネーションを…

負け犬の恐怖はカルト「悪魔の追跡」

村八分、同調圧力・・不穏な言葉だと思いませんか (評価 82点) この映画、そもそもお正月映画として公開されていた。でもあくまでもメインの一枚看板ではなく併映作のおまけつきのいかにもなB級映画。 初めて見たのは月曜ロードショー。以来、ホラージ…

負け犬はあきらめない「パージ:大統領令」

決して負けを認めようとしない、負けず嫌いの人っているよね (評価 59点) 時は、全米が4年に一度の大統領選に沸く2016年。年に一度、犯罪を含むすべての犯罪を合法化するパージ制度を掲げる共和党のドナルド・トランプが、下馬評では有利とされた民…

負け犬たちのオールナイトロング「パージ:アナーキー」

貧困だからって殺されてたら負け犬だってたまらないよね (評価 72点) 一夜限りの犯罪祭りを一家族の巣ごもりなステイホームの出来事として描いて楽しませてくれた「パージ」の第二弾。予算も前作よりもグンと増えてスケールアップと聞けば、おおよそ誰も…

負け犬は鈍する「アメリカン・グラフィティ」

「こいつは凄い!」たったの1分にも満たないその作品を見て誰もが腰を抜かさんばかりに驚嘆した (評価 72点) いったいジョージ・ルーカスに羨望の念を覚えない人間など、この世の中にいるのだろうか?別に皿洗いなどして下積み暮らしに何年も甘んじて耐…

負け犬の夜は青い「アメリカの夜」

君は子供の映画を撮るといいよ、そうトリュフォーに云われて撮ったのが「ET」だったのさ(スピルバーグ(談)) (評価 78点) この映画のことは子供の頃から知っていた。タイトルの由来が、キャメラに青いフィルターを付けて昼間に撮影し、夜のシーンに…

負け犬はボギーになれたか「ボギー俺も男だ」

いったい、この人を天才だと認めない人なぞこの地球上にいるのだろうか (評価 78点) 多作が天才の証とすれば、間違いなくこの人はそのトップに君臨するだろう。一体、何作あるのか?マニアにしか正確な数は即答できないはずだ。 そのアレンを初めて目撃…

負け犬はひょうきん者「スリーパー」

お願いだ!自分がおかしい存在であって欲しい (評価 76点) スタンダップ・コメディアン出身だったウッディ・アレンは舞台に立つ前、いつも怯えながらそう念じていた。 ウッディ・アレンのフィルモグラフィは、二つのフェーズに分けられる。スラップステ…

負け犬の燃える発情期「スキャンダル」

昔、洋ピンという言葉があった。 (評価 60点) その昔、いや今でも新世界あたりの裏通りの袋小路にはあるはずだ。破れかけたそのポスターには、総天然色と銘打たれ、世にもけばけばしい書体で『雌犬~』とか『色情~アニマル』とかデカデカと書かれたタイ…

負け犬がカウボーイになる日は来るか「男の出発」

負け犬が子供の頃、書いた作文には大きくなったら『棒高跳びの選手になりたい』と書いてあった。意味不明の子供だった (評価 76点) 本作が公開されたのは1972年。ニュー・シネマの全盛期。ビッグ・スターにスタジオシステムで作られる古き良きウェス…