負け犬的映画偏愛録

崖っぷちの負け犬が、負け犬的な目線で偏愛する映画のことを好き放題のたまう映画録。そして、木枯し紋次郎を完全コミック化(笑)した「劇画!木枯し紋次郎」を日々、配信中!色々な動物が繰り広げる動物コミックもあわせてお楽しみください

負け犬さんの監督の力量は口ほどにモノを言う上に有り得ないほどの史上最悪のラスボスとそれでもアビゲイルのスピンオフはあってもいいかなと思った件「ブレイド3」

映画にはやっぱりその監督の実力や力量があからさまに曝け出されるものだ。たとえそのキャラクターを知り尽くしている生粋のクリエイターでもそれは同じ

(評価 60点) 

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ブレイド」1,2を経て、主演のウェズリー・スナイプスは自分の肉体的なポテンシャルが最高の瞬間をフリーズドライのように凝結させんと「ブレイド3」の製作まで兼ねたことを伝え聞いていた負け犬は、その期待をほぼMAXレベルまで高めまくって本作の鑑賞に臨んだ。

 しかし、その期待は見事に打ち砕かれた。いきなりのっけから眉をしかめる感覚に見舞われた。前二作は、とにかくそのオープニングがキレッキレの鋭い切れ味を誇っていた。しかし、本作のオープニングシーンは、スケール感や緊迫感は一応、漂わせてはいるが、肝心のテンポやカットの切れ味のようなものが全くないのだ。

 今回、監督を務めたのはデヴィッド・ガイヤー、1,2作でツボを心得た脚本を書いた脚本家、それ以外にも多くのコミック関連の企画、脚本に関わる才人だ。いわばこのブレイドというキャラクター知り尽くし、その集大成的な本作の監督にもっともふさわしい人物といえる。多分、ガイヤーは才能的には申し分のない人材には違いない。しかし。「ブレイド」という非常にアクの強いヴィジュアル重視の作品には、どうやら不向きだったと言わざるを得ない。

 とはいえ、一応、ガンバッテる感だけはある。ダサいオープニングには目をつぶり、その後は主にデル・トロの二作目のカラーを踏まえたハイテンポのアクションを展開させ、ヴァンパイアのワナにはまり、FBIに捕らわれてしまったブレイドが本作でサイドキックとなるキング(ライアン・ジョンソン)に助け出され、ウィスラーの娘のアビゲイルジェシカ・ビール)と出合う。

 アビゲイルたちは人間でありながらヴァンパイアたちを狩るハンターで、冒頭で復活したドラキュラの直系、ドレイクを倒さんと、ブレイドに協力を求める、と、まあ、本作のストーリー自体は身もふたもない二作目のリフレインでしかないのだが、とにかく本作は。このサブキャラクターのアビゲイルのカッコ良さに尽きる。

 アビゲイルの武器は、ヴァンパイアたちを粉砕できる矢尻のついたアローで。背中に背負ったボウをさっと構えてアローを射出してヴァンパイアたちを木っ端みじんにしていくそのクールなカッコ良さはブレイドに勝るとも劣らない。加えて、ガチンコにトレーニングを積んだことが一目瞭然で見て取れるジェシカ・ビールのキレ味鋭いマーシャル・アーツの動きが惚れ惚れするほど素晴らしい。

 クライマックスでお約束のヴァンパイアたちのアジトに殴り込みをかけるアビゲイルのファイトシーン。見るたびにプレイバックして何度も見てしまう。

 主演のスナイプスが製作まで兼ねて自らを引き立てるべく作った本作が、結局、ブレイド本人よりもサブキャラクターの方が立ってしまったという皮肉な結果となってしまった。

 しかし、本作でもっとも残念かつあきれるしかないのが、ラスボスのドレイクのチョイス。ヴァンパイアの混血として生まれたブレイドのいわば因縁の天敵ともいうべき存在のドレイクがあまりにもミス・マッチなマッチョ男のドミニク・パーセルになってしまったこと。

 何でよりによって坊主頭のイガグリ君みたいなパーセルを選んでしまったのでしょう。おかげで最も盛り上がるはずのクライマックスがトホホな、しまらないものになってしまった感は否めない。

 三作目で失墜した「ブレイド」だったが、この3にしても結局、アビゲイル見たさに繰返し見ていることは事実。

 いつかこのアビゲイルのスピンオフが出来ないものかとひそかに願う今日この頃なのですよね~