アメイジング・ヤマグチのデッドプールのフィギュアのあまりのカッコ良さに一目惚れし、半年間も悩んだ挙句、年甲斐もなくこの負け犬は、そのフィギュアを買ってしまいました。それなのに勇んで食ったチミチャンガの味はとても美味とは言い難かった
(評価 55点)
今も自分の目の前に二丁拳銃を突き出し、立膝ついて鎮座しているデップー・フィギュア。フィギュアについては文句無しなのに、映画はまるでサエない代物だった。
全米大絶賛!IMDBでも見たことのないほどの高レビューばかり。だが、しかし、マーベルの中でも、ほぼスタンドイン的な扱いで群を抜いた低予算。それなのに、とてつもない高評価、となれば期待をするなという方が無理というもの。
而して、実物は・・・!ま~平凡としかいいようのない作品でした。確かに、いきなりハイウェイの活劇が展開されるオープニングだけは、ちょっと毛色が変わってました。でも、本作、いいところといえば、本当にそれだけなのです。
以降は、飽きるぐらいに見飽きたヒーローの誕生談が語られる。ボーイ・ミーツ・ガールがあって、主人公が病気になって、人体実験したら治るよ、なんて言われて、被験者になったら、そのついでに不死身になって、恋人がさらわれて、取り返すよ、それで終わり・・みたいな。そのストーリー・ライン自体、たとえば「アイアンマン」のように特に何かエモーションを掻き立てられる要素もなく平板としかいいようがないのです。
ただデップー自体、他の寡黙なヒーローたちと違って饒舌に語りまくるキャラなわけで、そもそも、それを最大限にアピールするために、あえてストーリーは平板にしたというコンセプトなのかもしれない。喋るのはいいのです、ただし、それが面白ければの話。でも、そのジョークそのものが、上滑り感満載で全然、面白くない。
思いっきりベクトルをブラックに振り切って、下品に徹しているところは嫌いではない。生温いディズニー化したマーベルなんざ見たくもない、という負け犬の欲求には応えてはくれていた。でも、それも映画自体のプロットといった基本的な構成が良くてこそ光るものだと思うのです。
とにかく本作は、ただ単に使い古した平板なプロットの上にのっかって、下品なキャラが下品なジョークを垂れ流すようにのたまわるのを見せられている感が半端なさ過ぎて、こちらもリアクションしようがないのです。
しょんぼりガードレールに座ってしみじみするデップーは可愛かった。だから、映画はつまらなかったけど、その後に、フィギュアの魅力にノックアウトされて買ったわけで、映画もフィギュアなみに魅力的なものであってほしかった。ただ、エイティーズ派としては、郷愁そそられるワムほかの選曲はグッドだったと思います。
ところで、デッドプールの大好物のチミチャンガという料理、その存在自体、この映画で初めて知った。何となく春巻きをイメージしてしまったのは、この負け犬だけでしょうか。