負け犬的映画偏愛録

崖っぷちの負け犬が、負け犬的な目線で偏愛する映画のことを好き放題のたまう映画録。

負け犬の未体験映画発掘隊!お宝映画教えます!「Nightmare(ナイトメア)」

今や映画は発掘する時代、古今東西の知られざる幻の映画をご紹介するお宝映画シリーズ第一弾!

 

幻の映画の宝庫

 今やあらゆるメディア上でコンテンツが氾濫し、新作映画に興味がなくて往年の映画を追い求めている人たちも、出尽くした感のあるDVDに、もはや、見たい映画がないとお嘆きの方々もおられるのではないでしょうか。

 でも、その一方で、今はネット上に映画データベースという心強い味方があって、そのデータベースを探索して分かるのは、日本で公開されたことなども無論ないまま、その存在すらも知られることなく、折々の時代に埋もれるに任せている映画が如何に多いかという事。

 とくに4~50年代以降から量産されたノワールやホラー系映画の量の多さには圧倒されるばかり。そして、綿々たる時代の経過によって、著作権やロイヤリティすら消失したそうした作品群に出会える実に有難いプラットフォームが今の時代にはある。言うまでもなくYOUTUBEである。

 というわけで、YOUTUBEで発掘した、誰も知らない未体験の映画たちをご紹介するシリーズの第一弾。

 

作品データ

 その作品「Nightmare(ナイトメア)」は1964年のホラー映画。製作は怪奇映画の殿堂、ハマー・フィルムハマー・フィルムといえばフランケンシュタインやバンパイアなどのモンスター映画が専門だが、本作は、そうしたモンスターを排し、上質の映像と、良質のプロットで唸らせてくれる、まさに発掘お宝映画にふさわしい傑作ホラー。

 監督はキャメラマンとしても有名なフレディ・フランシス。それだけに、幼少期に母親が刺殺される現場を見たトラウマから、悪夢に苛まれる寄宿学校の少女という、如何にもB級ホラーにありがちな設定にも関わらず、モノトーンの鮮やかなハイコントラストに、巧みな構図など凡百のホラー映画とは一線を画す見事な映像に、まずは目を見張ることになる。

 更に見事なのが、ジミー・サングスターによるタイトな脚本。本作、冒頭の導入部から、全編、一人の少女のニューロティックなホラーに終始するのかと思わせておいて、中盤に鮮やかなプロットのツイストが待ち構えている。

 本作は、そのツイストをターニング・ポイントにした二部構成になっている。そのメリハリ具合は実に見物。ホラーならではの恐怖感に加え、因果応報を交えた、推理、復讐物のテイストも存分に味わえる掘り出し物と呼ぶに相応しい逸品だ。

 映画を見ることが仕事で湯水のように見ることが出来る映画評論家やジャーナリストの人たちでもかなわないような、今のように一般人が、知られざるこんな未体験の傑作を発掘出来る時代は、負け犬のような映画フリークにとっては実に有難い時代になったものです。

 

YOUTUBE

 本作、「Nightmare」は以下にて視聴できます。


www.youtube.com