負け犬的映画偏愛録

崖っぷちの負け犬が、負け犬的な目線で偏愛する映画のことを好き放題のたまう映画録。そして、木枯し紋次郎を完全コミック化(笑)した「劇画!木枯し紋次郎」を日々、配信中!色々な動物が繰り広げる動物コミックもあわせてお楽しみください

負け犬の輪姦されて蹂躙されて犯されまくった女がレイプ・リベンジャーと化した件「アイ・スピット・オン・ユア・グレイブ」

レイプ!レイプ!レイプ!野卑な男たちに踏みにじられた女の復讐はとてつもなくグロかった。

(評価 62点)

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 負け犬の悶々とした性春の記憶にくっきりと刻印されていた映画のタイトルがある。その映画のタイトルが「「発情アニマル」!

 当時、愛読していた「ロードショー」誌の紹介では、モロに洋ピン扱いだったような記憶があって、結局、発情~云々という、そのとんでもなくエロいタイトルに文字通り発情し、悶々としながら、その後の数十年を過ごすことになったのだった。

 しかし、その映画が何と30年の時空を超えて、リメイクされたのが本作。そして、恥ずかしながらオリジナルのその「発情アニマル」が、洋ピンそのものというわけではなかったことを、この年になって初めて知ったのだった。

 一人の女がレイプされ、復讐する。オリジナルともども、いわゆるレイプ・リベンジものにカテゴライズされる本作。思えば、ちょっと年増なブレンダ・バッカロが輪姦されて復讐する「ウィークエンド」などという作品もあった。更に、野卑なネイティブまがいの現地の住民に犯されるというシチュェーションでいえば、あのサム・ペキンパーの歴史的傑作「わらの犬」もあった。

 「わらの犬」でも凄絶なレイプシーンがあったが、あの映画の場合、妻が輪姦されても、一旦はすごすごと旦那が引き下がる。それなのに、自分のポリシーと反する知的障碍者の男性をめぐる諍いに最後に暴力を爆発させるところに見事なリアリティがあった。人間の暴力性そのものまでテーマを掘り下げたペキンパーの作品に比べれば、本作は、レイプされたからやり返すという単純な図式に徹している分、薄っぺらいが、分かりやすいと言える。

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 しかし、その復讐のメソッドは、とてつもなくグロく、後半部分は、復讐のカタルシスとそのグロテスクな描写への嫌悪感が脳内でせめぎあうという不穏な感覚に悩まされる映画でもある。

 執筆に専念しようと田舎にやってきた小説家のジェニファー(セーラ・バトラー)は、滞在するコテージに向かう途中ガソリン・スタンドに寄る。ここで、田舎者たちに高飛車な態度を取ってしまったことが、ジェニファーの命取りになってしまう。

 ネイティブまがいの住民が、都会人に抱くそこはかとないコンプレックスが、バイオレンスのトリガーになるといえばあのジョン・ブアマンの超傑作「脱出」があった。

 コテージに落ち着き、執筆生活を満喫するジェニファーだったが、冒頭の4人の男たちがコテージに押し入ってジェニファーを取り囲む。辱められ、蹂躙されそうになったところを、一瞬のスキをついて、一旦は森の中に逃げ込むが、そこで現地の保安官と出くわす。ようやく助かったと思ったのも束の間、ジェニファーの地獄がそこから始まる。

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 男たちの中に、障碍者の若者がいて、その若者にまずジェニファーに姦通させるシーンからして、実に不穏。フラフラと半裸で再び森の中を彷徨うジェニファーを取り囲み、男たちが次々と輪姦するシーンの悲惨さ。ここで受け手の感情移入のベクトルも一気にジェニファーに入り込む。

 しかし、本作、少々、問題なのが、ここで、輪姦されまくった全裸のジェニファーが川に飛び込む。そして、姿を完全にくらましたジェニファーが、おそらく1~2ケ月を経て、再び姿を現わす。さらに、その後、必殺仕置人ばりにリベンジを果たしにかかるわけだが、その展開があまりにもご都合主義なこと。

 だって、ボロボロとなって川に飛び込むジェニファーは、一糸まとわぬ全裸なのだ。そして、その後、5人もの男たちが手分けして、周囲を入念に捜索しても気配すらも一切見せないのだ。それなのに現れるときは、傷一つなく、普通に服着て現れるのだ。どうやったって、元は特殊工作員だったとか、アフガンあたりの中東でならした殺し屋だったとかでないと、そんな技出来ないんじゃないの?と誰もが思うはず。だって川に飛び込んだ後も、水面下に没して波一つ立てずにそのまま消え去るって・・超人的な素潜りの選手でもなければ無理でしょう、普通。

 とはいえ、こんなジャンルものの映画で、それは重箱の隅を楊枝でほじくるものかもしれませんけど。

 かくして、後半はお待ちかねの復讐パーツ。ここからのくだりは多分に「ソウ」などのソリッドシチュエーションスリラーを意識し、一人ずつ、まずは背後から襲って気絶させ、縛り上げて拷問するメソッドになるのだが、折角、前半部分で、畜生の外道どもに対する怒りがマックスになって、後半から全員ブチ殺すぜ!と盛り上がったテンションが、冒頭でも言ったように、この復讐の殺しの手口が、あまりにも惨たらしすぎて、そのテンションが若干萎えてしまうのは否めない。

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 例えば、風呂のバスタブに吊り上げた男には硫酸風呂。木に縛り付けた男は、釣り針で目蓋をつり上げ、生魚を体に擦り付け、その匂いに寄って来たカラスに目玉をついばませて殺すなどなど、

 その手口にはヴァリエーションもあって、そのスジの人には楽しめる作りにはなっている。

 唯一の不満は外道のラスボスの保安官の殺し方。こいつにしても一応、ショットガンのバレルをケツの穴にブチ込まれて吹っ飛ばされるから、それなりに爽快感はあるものの、最たる外道の殺し方としては物足りない。この保安官の何が外道かというと、こいつは他の畜生どもと違って、ちゃんとした家庭があって妻と娘がいる。ジェニファーを凌辱している間にも娘から電話がかかってきて、娘にはデレデレしているという、とんでもないクズなのだ。

 そもそもジェニファーが乱暴された時、その一部始終を収めたテープがあって、そのコピーをジェニファーがもっているという設定になっている。

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 だとすればこのテープという小道具を使ってほしかった。妻と娘を縛り上げ、その前にデンと置いたTVのモニターに、良き夫、良きパパと思っている二人の前で、その一家の大黒柱の保安官が、ジェニファーをアナルファックしている所業を映し出し、それをまざまざと見せつけてやる。それを見て放心状態となった妻と娘の前で、保安官を吹っ飛ばすぐらいしないとカタルシスが満たせない・・・と、ここまで感情移入しちゃうということは本作の術中にハマってしまったからなのかもしれませんね。

 いずれにせよ、森の中で出くわすといえばクマさんですけど、森を歩いていて、こんな連中とだけは出会いたくないものです。それは、自分が男であろうと女であろうと関係ない。だって、さきにご紹介したブアマンの「脱出」では、男が男にレイプされる凄まじいシーンが出て来る。野卑な山男たちの旺盛な性欲にかかれば、男だろうが女だろうが関係ないのですから。

 というわけで、その「わらの犬」と「脱出」は当ブログでもすでにご紹介済み!良ければそちらも是非、どうぞ!