負け犬的映画偏愛録

崖っぷちの負け犬が負け犬的な目線で偏愛する映画のことを好き放題のたまう崖っぷちの映画録。また、たまに<映画をエンジョイ英語もエンジョイ>と題して、映画の実際のスクリプトを原文と翻訳でご紹介。英語学習気分もちょっぴりどうぞ!

負け犬の気分はキャピキャピいつでもハッピー!「チャーリーズ・エンジェル」

ノーテンキが世界を救う!はじける笑顔に、はじけるアクション!あのテーマ曲に乗って三人娘がやって来る。そのスタイルはどこまでもチャーミング!ガールズ・アクションの最高傑作

(評価 82点)

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恐るべき感染力!笑う門には福来る。いつもキャアキャアワイワイ、はち切れんばかりのこの笑い。その笑いはこちらにまで確実に空気感染し、見た後は必ずハッピーになれる。そんな最高に素敵な映画。

 少年時代に夢中になったTVシリーズへの思いのたけを「ミッションインポッシブル」という作品にぶち込んで、成功に導いたトム・クルーズのような気合を、この映画でエンジェルの一人ディランに扮したドリュー・バリモアには、見るたびに感じてしまう本作。

 「E.T」の子役で大ブレイクし、それが原因で。屈折した人生を歩んでいたバリモアが、もしも多感な少女時代にこのオリジナルのTVシリーズを見ていたとしたら、それは、本国でも繰り返しされていたはずの再放送だったに違いない。孤独な子供がTVシリーズの再放送にドップリとハマる。何だか日本でも良くある図式ですよね。

 かくして紆余曲折を経て、芸能界でいっぱしのキャリアを築いたバリモアが、その思いのたけを果すべく、プロデユースまで兼ねた本作を、何故かこの負け犬は公開時、初日に見に行った。負け犬が、キャピキャピ(死語かな?)のガールズ・アクションを・・?今、思えば、どうして見に行ったのかも、まるで憶えていない。初日にも関わらず確か客は3人ぐらいしかいなかったのは憶えている。しかし、今も記憶に鮮明なのは、映画が終り、他の客がちらほら散開する中、たった一人、心の中で快哉を上げ、パチパチと拍手したい気分になっていた事。

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 冒頭、巨漢のジェイソンに変装したディラン(ドリュー・バリモア)が、空を飛ぶジェット飛行機の中で、身体に時限爆弾を装着した要人を確保し、そのまま飛行機からダイブする疑似ワンショットに驚かされ、続くスーパー・ダイブの後、ナタリー(キャメロン・ディアス)が操縦する高速ボートに、アレックス(ルーシー・リュー)も加わり、華麗に着地。三人揃い踏みで始まるタイトル・バックの、息をもつかせぬイントロから、本作は、もうノリノリ・モード全開で突っ走る。

 「グッドモーニング、エンジェル!」のお馴染みのモーニング・コールで、チャーリーからエンジェルたちに下されたミッションは、CEOかつ音声認識システムの革新的な技術者でもあるノックス(サム・ロックウエル)の誘拐事件。たちまち繰り出される、矢継ぎ早の笑いにアクション、そしてパロディの数々。その絶好のアシストになってくれるのが、ボスレーに扮したビル・マーレイ。そして何と言っても全編にわたってぎっしりと満載されたイカサウンドにメロメロ(これも死語か・・)。

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 ソウル・トレインでディアスがノリノリ気分爆発で踊ってくれるのが楽しい。何故かスパイ工作で、三人でヨーデルを歌うギャグも楽しい。そんなアクセントの数々に目移りするうち、ただひたすらに夢見心地で時間が過ぎて行く。その上、2000年の製作当時といえば、あの「マトリックス」のワイヤーアクションが、業界に怒涛の衝撃を与えた時代。本作でも、ワイヤーアクションの伝説の導師ユエン・チュンヤンが、冒頭でもチラリと顔見世までして加わっている。しっかりとエクササイズしたのが目に見えて分る、体当たりのクンフー・アクションの合間に、いちいち「イヤー!」と三人が決めポーズを決めてくれるのがシビレるほどにカッコいい。

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 内容なんか何も無い、空っぽの映画。アカデミー賞は勿論、真面目な批評の対象にすらならない、取るに足らないプログラム・ピクチャー。しかし、「寅さん」や「釣りバカ日誌」のようなプログラム・ピクチャーがなくてはならないのと同様に、映画の世界には、こういうノーテンキな映画もまたなくてはならない、とこの負け犬はつくづくそう思う。

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 ところが、今だから白状するけど、「地上最強の美女たち!チャーリーズ・エンジェル」のタイトルで、リアル・タイムに放送されていたこの本放送を、負け犬が見たのは、ほんの2,3回程度。実はその時、面白くもなく見向きもしなかった。それというのも、この前番組として放送されていた「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」の大ファンだったのだ。

 毎回、欠かさず見ていた「バイオニック・ジェミー」。エンディングで流れるバイオニック・ジェミーことリンゼイ・ワグナーが唄う「フィーリング」の曲をカセット・テープに録音するほど。その思い入れがひとしおだっただけに、TV版の「チャーリーズ・エンジェル」にはイマイチ乗れなかったというのが正直なところ。

 でも、映画版は心配ない。キャメロン・ディアスをはじめ三人組のはちきれんばかりの笑顔が何もかも吹き飛ばしてくれる。

結局、世界を救うのはノーテンキなのだから。