負け犬的映画偏愛録

崖っぷちの負け犬が、負け犬的な目線で偏愛する映画のことを好き放題のたまう映画録。そして、木枯し紋次郎を完全コミック化(笑)した「劇画!木枯し紋次郎」を日々、配信中!色々な動物が繰り広げる動物コミックもあわせてお楽しみください

負け犬の残念キャラ大賞NO1「コンスタンティン」

やさぐれ霊媒師が悪魔と壮絶なバトルを繰り広げるがはずが、見事にずっこけた問題作。

(評価 50点) 

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悪魔祓いを生業とする、余命いくばくもないオカルト探偵が、人間界に乗り込む悪魔軍団を迎え撃つ。こんな中二病をくすぐる設定に総製作費は1億ドル、とくれば誰もが面白くなると思うはず。ところが本作は、面白くなるあらゆるツボを至る所で外しまくる。見事なほどに外しまくるそのスタンスは観客に喧嘩でも売っているのだろうか?

 アメコミでも、マイナーなホラー系、そこは有象無象のキャラクターたちがひしめく魑魅魍魎としたアンダー・ワールドだ。版元は大手のDCだが、サブカルテイスト濃厚なホラーコミック「ヘルブレイザー」でデビューしたコンスタンティンというキャラクターは、そんなマイナー・ヒーローの一人だった。

 10代の頃に自殺を図り、この世とあの世の境界を彷徨ったことをきっかけに、特殊能力を有するようになり、今ではその能力を糧に探偵業を営む男。その業務内容は、害虫駆除ならぬ悪霊の駆除、コンスタンティンは、常にタバコを手放さないヘビー・スモーカーのやさぐれエクソシストなのだ。そして、このコンスタンティンに扮するのが、「マトリックス」のネオならぬキアヌ・リーブスとくれば誰でも身を乗り出すはず。この負け犬も期待しつつ意気揚々と見始めたのだが・・

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 紛争地帯の中東で、悪霊が復活した物々しいプロローグから始まる本作。いきなり車で乗り付け、颯爽と現れたコンスタンティンキアヌ・リーブス)が踏み込むのは、マイノリティーのアジア系住民が暮らすアパート。不安におびえる住民たちを尻目に、ズカズカと入ったその部屋には、どうやらたちの悪い悪霊に取りつかれた少女がいて、コンスタンティンは早速、鏡を使ったド派手なエクソシスト・バトルを繰り広げる。

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 いたって快調なこの出だしにテンションも高まるが、実はそのテンションもイントロのそのレベルがMAXで、そこからUPするはずのテンションがこの映画では、ドンドン下降線を辿っていくのだ。女刑事のアンジェラとイザベルの双子の姉妹と出会ったコンスタンティンは、悪魔が人間界への侵攻を企んでいることを知り、サイドキックのアシスタント、チャズ(シャイア・ラブーフ)と共に悪魔とのバトルに巻き込まれていく。

 カソリックや宗教に関する様々なキーワード、宗教的なゴシックテイスト満載のガジェット。天使と悪魔の二つの血縁を持つハーフブリード。そして天使のガブリエル(ティルダ・スウィントン)といったキャラクターに至るまで、映画の魅力を高めるためのマクガフィンには事欠かない。それなのに本作のスクリプトには、そもそもクライマックスに向けてヒートアップしなければならない、肝心の構成が欠けている。総じて、いたって平板なのだ。

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 肺ガンに侵され余命いくばくもないコンスタンティンは本編を通じ、スパスパ煙草を吸い続ける。そのやさぐれたハードボイルドなスタイルは、ヒーローとしては目新しさもある。しかし、その設定も効果的に生かされているとは言い難い。

 そして、誰もが呆然とするのがそのクライマックス。いよいよコンスタンティンの目の前に姿を現わした魔王。誰もが この魔王にビジュアルセンスを駆使したルックスを期待するはず。ところが、この魔王、ただの白いスーツを着たおっさんなのだ。しかし、相手がただのおっさんにせよ、コンスタンティンがあの「マトリックス」のエージェント・スミスとのバトル並みの見せ場を繰り広げてくれたら、せめて溜飲は下がる。しかし、それすらない。ただ何となくクライマックスがカタルシス無きまま終わってしまう。結局、後に呆然と取り残されるのは観客だけなのだ。

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 キャラクターそのものも実に魅力的、そしてそれを彩る世界観も魅力的。それなのに肝心の本編に何の魅力もない本作。MTV出身でこれがデビュー作となったフランシス・ローレンスも出来栄えに未練があるのか、コンスタンティンのリブートにこだわり、そして、またキアヌ・リーブス本人もこのキャラクターに愛着があるらしく、ずっと参画にはポジィティブなスタンスだったようです。

 他でもないこの負け犬も、このキャラクターは、リブート・リクエストNO1との思いがある(あのギレルモ・デル・トロが興味を示してくれたら嬉しいのだが・・)。「マトリックス」の4作目が実現する今だからこそ、何とかキアヌの旬が萎えないうちに実現して欲しいものですよね~