負け犬的映画偏愛録

崖っぷちの負け犬が負け犬的な目線で偏愛する映画のことを好き放題のたまう崖っぷちの映画録。また、たまに<映画をエンジョイ英語もエンジョイ>と題して、映画の実際のスクリプトを原文と翻訳でご紹介。英語学習気分もちょっぴりどうぞ!

負け犬さんの先進国の上から目線がウザイけど映像が圧巻だからまあいいやの件「アバター」

物語はナウシカを始めとする既成の物語の完全なパクリだけど、ここまでの映像の熱量を見せられたらまずはひれ伏すしかない

(評価 86点)

f:id:dogbarking:20210109115559j:plainその時、その男は初めての監督となる作品のロケーションに旅立つべく、仲間が開いてくれたお別れパーティの席上にいた。山ほどのB級C級映画で、段ボールの高層ビル群を作り、背景となる書き割りの絵を描く、そんな特殊効果係という完全な裏方から、吹けば飛ぶようなB級映画にせよ堂々監督の座にまでのぼりつめたその男は、勝ち誇ったような笑みを隠そうともせず揚々と初監督作のロケーションに旅立った。そのB級映画の名は、「ピラニア」の続編「殺人魚フライングキラー」。だが、男はすぐにその映画のプロデューサーと対立し初監督のクレジットの夢は消え果てる。

その男の名はジェームズ・キャメロン

かくして初監督という野望は挫折に終わったものの、「ターミネーター」以降、「タイタニック」でハリウッドの頂点を極めるまでのジェームズ・キャメロンの活躍は誰もが知るところ。そんなキャメロンでもその出発点は、文字通りの下積みよりもさらに下級の下働きに過ぎなかったのだ。

そしてキャメロンが更なる頂きを目指し、現時点での頂点となる「アバター」を負け犬が見たのは、恥ずかしい話、つい最近。ということは公開当時から10年近くの月日が経ってから・・しかし、それでもその映像には冒頭から最後までことごとく圧倒された。

だが、しかし、これも世評通り、そのお話しのフォーマットが既製品の良くいえばエピゴーネン、悪く言えばパクリでしかないことも痛感した。

この映画におけるネガティブの意見の代表は、反米主義ということらしいけど、負け犬が何度も見て思うのは(やっぱりエンタメ度と映像の圧巻さが好きで何度も見ちゃいますよね)、パンドラにおけるナヴィ他の部族の描き方が、何だかあまりにも先進国からのおそろしいほどの高さの上から目線で描かれているところ。明らかにナヴィたちをパンドラならぬアフリカ大陸の部族に位置づけられるような人たちとして、カリカチュアされて描かれ過ぎなのが、ものすごくウザく感じられてしまうのだ。

しかしながら、いつもながらのキャメロンのメカやギアに関するヴィジュアルのこだわり、当時も今も革新的なレベルのCGはとにかく楽しい。そして、本編さながら見るたびに驚くのがエンドクレジットに名を連ねるその膨大なスタッフの数。キャメロンの下にこれほどの人間が集って一つのものを作り上げたという事実には感動を覚える。

思えば、そもそもキャメロンがこの業界に入るきっかけとなったのは1978年にDIY感覚でほぼ手作りで作った「Xenogenesis」というアマチュア映画だった。その「Xenogenesis」は有難いことにYOUTUBEで見ることが出来る。何とも驚くのはアマチュアの自主映画丸出しの素朴さだ。あのキャメロンも出発点は、こんなチャーミングな映画であることが何だかうれしくなる。

そのアマチュアの素人映像と30年後のCG映像を見比べると、誰もが一人の人間がその人生で辿った進化の軌跡を実感するに違いない。キャメロンは人がボンヤリヒマを潰していたり遊んでいる時も片時も休むことなく働いてきた人なのだろう。

気になるのはすっかり都市伝説と化し、未だに陽の目を見ていない「アバター」の続編のプロジェクト。何はなくともとにかく不安なのは一作目のストーリーのオリジナリティの無さ、この内容であと何作も作ることが出来るのか?それがただの杞憂で終わってくれればいいのだが