負け犬的映画偏愛録

崖っぷちの負け犬が、負け犬的な目線で偏愛する映画のことを好き放題のたまう映画録。そして、木枯し紋次郎を完全コミック化(笑)した「劇画!木枯し紋次郎」を日々、配信中!色々な動物が繰り広げる動物コミックもあわせてお楽しみください

負け犬の燃える発情期「スキャンダル」

昔、洋ピンという言葉があった。

(評価 60点) 

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その昔、いや今でも新世界あたりの裏通りの袋小路にはあるはずだ。破れかけたそのポスターには、総天然色と銘打たれ、世にもけばけばしい書体で『雌犬~』とか『色情~アニマル』とかデカデカと書かれたタイトルが踊っている。そう、いわゆる洋物専門のピンク映画館というやつだ。

 嫌でもその手に触発される多感な青少年期、そうしたものへの好奇心を満たしてくれたのが「スクリーン」や「ロードショー」といったティーン向けの映画雑誌だった。表向けは勿論、映画への興味、しかし、そこには何といっても、あくまでもたまにだが・・、パツキンのおねーちゃんたちのヌードが載っていた。実をいえばそれを見たくて買っていたようなものだったのだ。

 加えて毎月の新作紹介の最後にはほんの1,2ページだが、そうした洋ピンの紹介記事が載っていた。ためつすがめつそれらのモノクロ写真をみながら、頭の中では総天然色の想像をかけめぐらせ、その実物をいつかは見たいと思っていたものだ。

 そんな作品の一つとしてこの作品も紹介されていた。薬局を営む貞淑な妻が、店の使用人に恥辱の限りを尽くされ性の奴隷と化していく。主演のいかにも熟女然としたリザ・ガストーニが、はだけた下着姿で床に腰を下ろす煽情的なポーズが実に印象的なスナップが、紹介記事に添えられて載っている。言うまでもなくそのスナップを見ながら恥辱の限りとはどんなものか、想像をたくましくしたものだ。

 それから早や数十年経ち、そのイメージを脳裏にこびりつかせたまま、すっかり負け犬となった自分にYouTubeがエロい欲求を満たす恩恵をさずけてくれた。そう、ボンヤリ見ていたら目ざとくそのイメージを見つけ、ウン十年の時を遡る門戸を開いてみたのだ。

 開巻は、映画紹介通りのナチの台頭を匂わす文芸作品的な雰囲気を醸し出しす。だが、それも束の間、熟女リザ・ガストーニ演ずるエリアーヌが登場して間もなく、使用人のアルマン(フランコ・ネロ)に色目をつかわれ、秘められた欲情がうずくのを匂わす。

 そこから本作は、文芸作などという外面を投げ捨て、ひたすらエロにベクトルを振ってくれる、いかにも負け犬好みのエロ路線の作品へと豹変する。

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 まずは客がいるのもかまわずカウンター越しの床にエリアーヌを押し倒しアルマンがその陰部を存分にまさぐる。また電話中のエリアーヌに抱き着き、露わにした乳房を後ろから揉みしだく。さらには、アルマンは自分の恋人とエリアーヌを対面させると、恋人の服を剥ぎ取り、その裸体をエリアーヌに見せつける。そして、エリアーヌにも服を自ら脱がせ露わになったその乳房を恋人に触らせるといった具合に次第に行為がエスカレートしていく。

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 その頂点は、この作品の白眉。夜、店のシャッターを閉め、エリアーヌを屋外に締め出すと、アルマンが服を一枚一枚脱ぐようエリアーヌに命じるのだ。そして全裸となったエリアーヌは、向かいの酒場から出て来た浮浪者めいた男にその姿を見られながら、恥辱と恍惚とが入り混じった喜悦の笑い声を上げる。この屋外プレイのエロ度は実際、胸がバクバクするぐらいのポテンシャルでもあった。いかにも年増な容貌とはあまりにもアンバランスなリザ・ガストーニの引き締まった肢体がこの上なくそそる。

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 こうしたやりたい放題の末、最後にエリアーヌは自分の娘までアルマンに差し出し、娘が姦られる傍に寄り添い、娘の手を握ったままそれを見守るのだ。

 とまあ、本作は誰もが想像するエロいシーンをアラカルト仕立にしたような、積年の負け犬のエロ根性をも存分に満たしてくれる野卑な快作だった。

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 言語はイタリア語。しかし、何の不自由もない。エロは軽々と言葉の壁など超えてくれるのがウレシイ。負け犬のような過去の青年期のトラウマを抱えているような方は是非、ご覧のほどを。