木枯し紋次郎
その正体は小仏の新三郎! <紋次郎が、たまたま助けた庄左衛門の娘お町は、かつて行き倒れた自分を助けてくれた酌女の深雪という女にそっくりだった。そして、そのお町から、庄左衛門の村の寺を占拠して居座るならず者たちに捕えられている女の名が深雪であ…
あの紋次郎はニセモノだった <紋次郎は、かつて手負いの自分を助けてくれた浪人を尋ねるが、茶屋の主人から死んだと聞かされる。実は紋次郎が吹く木枯しは、その浪人の娘のお志乃が教えてくれたものだった。お志乃の消息を求める紋次郎は、お志乃が女郎とし…
1973年4月7日、当時の日本のインディペンデント映画の雄ATGの配給によって一本の時代劇映画が公開された。それこそが、日本映画の巨匠市川崑の手による、TVシリーズ木枯し紋次郎のDNAをそのまま受け継ぎ、さらにそれを抽出ろ過しギュッと煮詰…
樹の根っこに足が挟まっちゃって、そのまま仰向けに倒れたら足がブラブラしてたんだ 初回10.4%、~12回目30%。瞬く間に鰻上りに上昇した紋次郎の視聴率だ。土曜日午後10時30分という放送時間を考えればいかにそれが驚異的な数字、そしてどれほ…
飛び込んだその場所は芸能界ならぬネギ畑 紋次郎といえば中村敦夫、中村敦夫といえば紋次郎。紋次郎を語る上で中村敦夫抜きに語ることなど有り得ない。そしてその役と同一化することで、ここまで神秘的なカリスマの威光を放つ存在も唯一無二といえるのではな…
原作ありきのシリーズ中のレアな一本 <かつて、盗賊に襲われ助けを乞う男に背を向けた過去を持つ紋次郎が、数年後再びその地を訪れ、今は廃屋で息絶えようとしているその男と再会する。男は紋次郎に30両の金を渡しお春という遊女の身請けを頼むが、その道…
カリスマの才能が70年代を席巻した <紋次郎は、赤い牛とだけ言い残し顔面に火傷を負って行方をくらました夫を探す盲目の女お鈴と出合う。今も赤い牛の迷信を信じるお鈴だったが、紋次郎は、その火事の一件を絹問屋たちが巧妙に利用していることを知る。そ…
股旅稼業のリファレンスマニュアルとでもいうべきファクターが斬新だった <網元たちがイワシ漁の莫大な利権を巡り、血で血を洗う争いを繰り広げる房州の海。紋次郎は浜で息を引き取った娘から、かつて自分たちを棄てて消えた娘の父親に宛てた一個の鈴を託さ…
誰もが待ち望んだあの男が帰って来た <渡世人ばかりが狙われる山間の三国街道の道中に、闇夜の中、紋次郎も襲われる。相手に手傷を負わせからくも逃れるが、紋次郎は出会った馬子の政吉の言動から、政吉が事件に関わっていると直感するが、その頃、殺された…
紋次郎の楊枝飛ばしは、アナログな70年代の情熱の賜物だった <眠ることを許されない年に一度の女人講。20年前そこで起きた惨劇の話を、たまたま難儀を救った旅館の女主人、筆から聞かされる紋次郎。だが、村を仕切る太和屋は、その惨劇を利用しある計画…
紋次郎名物の早食いは飢えた70年代の空気の象徴だったのか <かつて村の娘を殺めたことから追放したはずの源太が復讐のために舞いもどって来る。その噂に怯える村に足を踏み入れる紋次郎。そこで紋次郎が出合ったのは片足の少女、お妙だった。そこへ村人た…
土砂降りの中、己の義理がけのために死闘する姿が70年代そのものだった <道中、紋次郎は、腹痛で苦しむ十太と名乗る渡世人を助け、宿まで運ぶ。しかし、十太の容態が急変、末期にしたためた手紙を十太の妻のお千代と地蔵峠にいる兄貴分、利三郎に届けてく…
思えば70年代というのは負け犬天国だった <大雨が降り続く宿場町。ある賭場で50両もの大金をせしめた若者。その若者茂兵衛の後を代貸の佐太郎が追う。佐太郎の子分に襲撃された茂兵衛を救ったのは、賭場にも居合わせた紋次郎だった。しかし、紋次郎は、…