負け犬的映画偏愛録

崖っぷちの負け犬が、負け犬的な目線で偏愛する映画のことを好き放題のたまう映画録。

サスペンス

負け犬の正体はおっちょこちょい「ジャッカルの日」

ゴルゴ13みたいなスゴ腕のスナイパーだと思ったら意外と間抜けだった (評価 70点) 若い頃の一時期、熱心に読んでいた作家がいた。膨大な情報を駆使した政治的スリラーで、情報小説的側面を持つサスペンスというスタイルを確立したフレデリック・フォー…

負け犬はリタイアするのか「ジャッキーブラウン」

ふと見渡すと、広い映画館の中、客が5人しかいなかった。そして、その全員が爆睡していた (評価 82点) 1990年代初頭、あちこちの映画雑誌に見慣れない男の名前が載り始める。サンダンスにデビュー作を引っ下げグランプリを獲得した話題の男との触れ…

負け犬はタンスを運ぶ「水の中のナイフ」

才能の切っ先を肌で感じる陶酔感がたまらない (評価 82点) それがどんなジャンルであれ、優れた才能は鋭く尖っている。芸術に触れる喜びの最上位に、そんな鋭く尖った才気に直に触れる喜びがある。そんな才能と出会った時、皮膚感覚で痛感させてくれる芸…

負け犬のいびつな愛情「恐怖の報酬」

キレイなものではなく、いびつなものにこそ愛情を抱く・・なんてことありませんか? (評価 60点) 「試写会の会場は、トラックが吊り橋を渡るシーンで、針の落ちる音すら聞こえるほど静まり返っていた」 当時のロードショー誌のこの映画の紹介には、あの…

負け犬は瓜二つ「ルームメイト」

独身(S)、白人(W)、女性(F)って『同居人求む』のことだったんだ (評価 78点) 昔見て、心に澱のように残る映画というのがあるもので・・それがまさにこの映画だった。堅実な演出でサスペンスを積み上げる巧みな構成(監督は「バーフライ」のバー…

箱詰めの負け犬「フォーンブース」

箱入り娘ならぬ箱入り男はクズだった (評価 78点) その昔、映画のスクリプトがアップされているサイトを物色しては面白そうなものをダウンロードしては色々と読んでいた。そこには公開前の「キル・ビル」のオリジナルスクリプトもUPされていた。(まる…

負け犬は聞き耳を立てる「カンバーセション盗聴」

そのパラノイアはたった一つの音から始まった (評価 80点) 人間にはもっとも生気と活力に満ちた時期がある。コッポラにとってこの映画の製作時がまさにそのバイオリズムだったに違いない。ゴッドファーザーで大成功を収め、スタジオから何の干渉もされな…

負け犬の下級スパイは本の虫「コンドル」

あのCIAに世界中のフィクションを調査、研究している部署があることをこの映画で初めて知った。本当かな? (評価 84点) かつて実在したハッカーたちのノンフィクションのドキュメント本を読んだことがあった。すると面白いくだりに出くわした。ハッカ…