負け犬的映画偏愛録

崖っぷちの負け犬が、負け犬的な目線で偏愛する映画のことを好き放題のたまう映画録。

負け犬がありがたくもないフォロワーさんに尾けられて大変だった件「イットフォローズ」

ホラホラ何かがあなたの後をつけてくる!ただ何かが後ろをついてくる、その恐怖のみを純粋ろ過して描いた新感覚ホラー!

(評価 72点)

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ネットやツィッターなどでフォロワーさんというものが増えれば誰でも嬉しいもの。でも、自分自身の後ろに何か得体の知れないものが付いてきたら嬉しがってなどいられない。

 「こけおどし」一回目に見たときは、ただそれだけで済ませてしまった作品が、なんだか気になり二度目に見たらシックリきて、すっかり気に入った。そんな経験はないでしょうか?負け犬にとってのそんな作品が本作。

 確かに本作の内容は?と問われれば、ほぼ無きに等しいと言っていい。昨今、YOUTUBEをはじめとする動画サイトに山ほどアップされている恐怖動画の長尺版といっても差し支えない。最初に見たときは、ちょっとニューロティックな感覚とビジュアルが最初は新鮮だったものの、後半に進むにしたがって、凡百のB級ホラーの体裁に落ち着くところも何だか拍子抜けした。だが、二回目は細かなディテールが妙にツボにはまって気付いたら、すっかり気に入ってしまっていたのだ。

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 開巻、いきなり何かに慄いて路上に飛び出してくる女の子のイントロがまずそそられる。その背後にいる何かに慄き、女の子が車に乗って急発進して走り去る。そして、翌朝、その女の子が、体が異様にねじれた姿となって浜辺で死体となっている。まるでオブジェのようなこの死体の捻じれ具合は、ビジュアル的にも実にインパクトがある。

 主人公はジェイというティーンの女の子。結局、理由もなくこのジェイにフォロワーがある日、いきなりついてくるようになって、それに追われまくるだけが本編の内容と言っていいのだが、面白いのは慄くリアクションとその対象とのギャップ。

 自分の背後についてくるもの、それがこの映画の場合、モンスターでも貞子でもなく、全裸のバアさんだったり、巨人のように異様に背が高いだけの男の子だったりする。そして、そんな物体が、本作では、ただのしのしと歩いてくる。そんな物体にジェイがひたすら慄いて、裸足で一目散に逃げまくる。

 たとえば、あるシーンでは、不穏な気配を察知して、ふと屋根を見上げたら、全裸のフルチンの男が屋根の上に仁王立ちして突っ立っている。一歩間違えば、ほとんどギャグに転じてしまうような危うい怖さといおうか、本作の恐怖感覚には、何だかそんなエッジーなソリッド感があってそこが妙に面白い。

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 フォロワーたちがティーンたちの背後に出現する理由が、ティーン特有の成長期の不安感や欲望に根差していることを映像でそれとなく表現する手法も魅力的。そもそもジェイにはじめてフォロワーが見えるようになるのも、彼氏と車内でセックスした直後ということからも、本作のメタファーにティーンの自分の肉体の変容に関する怯えがあるのが自ずと分かる。

 無機質なモデルハウスのような家が並ぶ郊外で暮らすジェイと友達は、いつも家で、のらりくらりとTVを見ているが、そこには決まって大人の姿は皆無。この映画の世界からは大人の存在がきれいにトリミングされて払拭されているのだ。

 そして、まるで骨董品のような旧式のブラウン管のTVにいつも映し出されているのは、いかにも古めかしいい50年代のモノクロのB級の怪奇映画。

 映画本編もそれと符号を合わせるかのように、ティーンが結束してフォロワーに立ち向かうといった50年代の侵略SFモノの映画の構造になっていく。新感覚ホラーといいながら映画そのものは意外とクラシックなのだ。

 ループスタイルのエンドレスなエンディングもスタイリッシュに決まっている。各所に散りばめられたモダンアートっぽいビジュアルも妙に印象に残る。

 確かに全裸のオジサンやオバサンが物も言わずにただのしのしと歩いてきたら怖い。普段は気付きもせずに意識下に眠っているような恐怖感覚を覚醒されるかのよう、といえばちょっと買いかぶりし過ぎだろうか。

 いずれにせよ、ただグロテスクなだけの凡百のスプラッター系ホラーに飽きてしまったそこのあなた、ちょっと後ろを振り返ってこんなお洒落なホラー映画はどうでしょう?

負け犬ドキュメント「負け犬さんはひとりぼっち」

負け犬の日常を描く負け犬ドキュメント!負け犬は、負け犬なのでいつもひとりぼっち。だから、会社でもこんな有様で・・・

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あなたの職場でこんな人いませんか?いたらその人は間違いなく負け犬です(笑)

 

劇画!木枯し紋次郎「激闘!女必殺剣」

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トランスジェンダーバイセクシュアル、男と女の性別の問題も何かとフレキシブルな世の中になりましたね

 

劇画!木枯し紋次郎「白と黒の仁義に散った」

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渡世の義理とは無縁な筈の紋次郎でも仁義の掟やしがらみから、やむにやまれず長ドスをふるわねばならないこともある。

現在でも義理は厄介なもの。思えば忖度も義理なわけで、パンダが白黒だからというわけではないけれど、物事に白黒つけるのはムズかしいものですよね~

 

劇画!木枯し紋次郎「木枯しの音が消えた」

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ヒュウウウ・・というあの紋次郎の木枯しの音は、紋次郎が若い頃、山中で助けられた浪人の娘、お志乃から教わったものだったというルーツが第12話の「木枯しの音に消えた」では語られた。

このコロナ過も、収束に向かいつつある今日この頃、欧米ではマスクフリーという国もちらほらと見受けられますが、マスクから解放される日をもっとも心待ちにしているのは実は紋次郎かもしれない(笑)